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抱っこひもを2つ持っている。べべスワンのBTベストと、Aprica(アップリカ)のラクリスABだ。最初はどちらか1つに絞るつもりだったのだが、結局夫婦で違う抱っこひもを使い分ける運用に落ち着いた。その経緯を、正直な比較とあわせて書いておく。
自分は169cmの中肉中背、妻は150cmの小柄な体格。この体格差が、今回の話の一番の核心になる。
最初に選んだのはべべスワンBTベスト
娘が生まれる前、最初に購入したのはべべスワンのBTベスト(シルバーグレー)だった。
選んだ理由は3つ。ベスト型の方が赤ちゃんの落下リスクが低そうに感じたこと、一度着ると脱ぐのは大変だが、着けた状態を後ろから見ても紐に見えないのでデザインとして良さそうに思えたこと、そしてInstagramでの評判が良かったことだ。

使ってみて感じた、正直な不満
ただ、実際に使ってみると気になる点がいくつも出てきた。
まず、肩や腰のベルト自体はある程度調整できるものの、体に密着するベスト本体のパネル部分の大きさは変えられない。公式には「調節可能なワンサイズ」とされているが、この「体に接する部分そのもののサイズを変えられない」という点が、体格差のある夫婦で共用しようとしたときに一番引っかかった。実際にチャックを開けて中を見てみると、それがよくわかる。


前面・背面とも、中に入っているベストそのものは一枚もので、サイズ調整の余地がない。ベルトは調整できても、体に密着する部分の大きさそのものは変えられない、というのはこういうことだ。
保冷剤を入れられる胸のポケットはちゃんと機能する。

気になったのは腰ベルトについている別の小物入れの方で、正直「これに何を入れればいいんだろう」という感覚だった。

首を保護する部分がなく、ラクリスのような新生児の足をサポートする部品もない。生後50日までは「足をあぐらのように折りたたんで抱っこしてください」という案内なのだが、実際にそのように装着してみると、娘の足が痛そうに見えて仕方なかった。娘自身は特に気にしている様子はなかったのだが、こちらがずっと気になりっぱなしだった。べべスワンを使うなら、この足が出せるようになる3ヶ月頃からの方が向いているかもしれない。
娘は春生まれで、これから夏に向かっていく時期。ベスト型は正直かなり暑い。自分も暑いし、娘も暑くて泣いてしまう。かといってすぐ脱げるかというとそうでもなく、外出先での着脱がなかなか大変だった。
べべスワンは腰ベルトだけを外しても赤ちゃんが落ちない構造になっていて、装着したままトイレに行けるのがメリットらしい。ただこれは自分たちの生活スタイルの違いかもしれない。移動は基本的に車で、チャイルドシートとベビーカーが中心。小さな店舗に立ち寄るときだけ抱っこひもを使うが、滞在時間自体が短いので、抱っこひもを着けたままトイレに行きたくなる場面にまだ出くわしたことがない。
代わりを探す中で、Aprica「クルムファースト」も検討したが見送った
代わりを探し始めたきっかけは、娘が生後1ヶ月くらいの頃、抱っこしていないと泣き止まないという悩みが出てきたことだった。べべスワンでその都度対応しようとすると、あの足を折りたたむ抱き方が正しくできているのか毎回自信が持てず、娘の足も痛そうに見えて大変だった。家でも外でも共通で、もっと気軽に装着できて手が空くようなものはないか、というのが探し始めた動機だ。
候補の1つが、Apricaのスリングと抱っこひもが一体になった「クルムファースト」だった。赤ちゃん本舗で店員に相談しながら試したのだが、装着に手間取った記憶がある(店頭で初めて試したせいもあるかもしれない)。それに、スリングでの横抱きは肩に体重を分散できるとはいえ、結局両手を完全に離せるわけではない。もう数か月すれば横抱きの時期自体を卒業するタイミングでもあったし、ラクリスなら足も出せるので、わざわざ横抱き用のスリングを別に用意する必要はないのではと考え、クルムファーストは見送ることにした。
ラクリスABに切り替えて感じた違い
そこで買ったのが、Aprica ラクリスAB(ホワイトアッシュ)だ。娘が生後1ヶ月を過ぎた頃に購入した。

写真に写っている生成り色の巾着は、ラクリス本体の付属品ではなく、小物入れとして自分たちで取り付けているもの。妻はここにスマホを入れて使っている。
使ってみると、べべスワンで感じていた「かゆいところに手が届かない」感覚が、ラクリスではかなり解消されていた。首マモールもあって、新生児の足をサポートする部品もある。バックルはマグネット式ではなく、前面にある4つのバックルを1つずつ手でパチンと留める方式(4点ワンタッチ式)だが、これはこれで普通に使いやすい。ベルトをくるくる巻いて留められるバンドもついている(これはべべスワンにもあった)。

保冷剤ポケットはべべスワンにもあったが、ラクリスは首マモールのすぐ下にあるメッシュ部分が保冷剤の入れ口になっている。体感でしかないが、位置もべべスワンは外側、ラクリスは内側に付いている。赤ちゃんに近い分、涼しさを感じやすいのはおそらくラクリスの方だろう。
個人的に気に入っているのは、背中側の連結バックルを肩甲骨のすぐ下あたりに合わせて、高さや長さを調整できる点だ。自分と妻で体格差があっても、それぞれに合わせやすい。
正直、老舗メーカーの方がノウハウの蓄積があるんだなと実感した。調べてみると、Apricaは75年以上「赤ちゃん医学」という独自の知見をもとに製品開発をしてきた実績があり、赤ちゃんの姿勢や呼吸のしやすさを重視した設計に強みがあるようだ。一方べべスワンは2024年に日本上陸した韓国発の比較的新しいブランドで、着脱のしやすさなど親側の使いやすさを追求した設計に強みがある。どちらが優れているというより方向性の違いなのだが、個人的には赤ちゃんの姿勢まで考えられた設計の方に安心感があった。
結局、夫婦で使い分ける運用に落ち着いた
一時は使わなくなったべべスワンを売ろうかとも考えた。ただ、体格差のある2人で1つの抱っこひもを共用しようとすると、着けるたびにベルト調整からやり直すことになる。それが地味に面倒だった。結局「妻はラクリスAB、自分はべべスワン」という形で、夫婦それぞれ専用の抱っこひもを持つ運用に落ち着いた。
ちなみに妻の体格だと、ラクリスABのサイズ調整はギリギリの範囲になる。小柄な体格の人がラクリスABを検討する場合は、この点は事前に確認しておいた方がいいと思う。
なお、べべスワンには2026年5月28日発売の新型「Eternity(エタニティ)」もあるが、こちらは自分たちは使っていない。ベストと腰ベルトが一体化して背中全体で支える構造になり、マグネット式バックルも採用されたようだが、価格も通常57,000円とかなり上がっている。旧型BTベストの35,000円と比べると22,000円高く、正直「ここまで出すなら他の抱っこひもも含めて検討した方がいいのでは」というのが率直な感想だ。
検証項目
| 評価軸 | べべスワンBTベスト | ラクリスAB | 詳細 |
|---|---|---|---|
| サイズ調整の柔軟性 | △ | ◎ | べべスワンはベルトは調整できるが体に接するベスト本体のサイズは変えられない。ラクリスABは細かく調整できる箇所が多い |
| 暑さ対策 | △ | ○ | べべスワンはベスト型で密着面が広く暑い(保冷剤ポケットは両製品にあり) |
| 新生児の首・足サポート | △ | ◎ | べべスワンは専用パーツなし。ラクリスABは首マモール・あしらくサポートあり |
| 着脱のしやすさ | △ | ○ | べべスワンは着るのは簡単だが脱ぐのが大変。ラクリスABは前面バックルで着脱しやすい |
| デザイン(紐に見えない) | ◎ | ○ | べべスワンはベスト型で後ろから見ても紐感がない。ラクリスABも比較的すっきりした見た目 |
| トイレなど一時的に外せるか | ○ | △ | べべスワンは腰ベルトだけ外しても赤ちゃんが落ちない構造で、装着したままトイレに行けるとされる(車移動中心の生活のため自分たちは未検証)。ラクリスABに同じ機能はないが、「構造分離式」(大人が装着する肩・腰ベルトと、赤ちゃんを支える部分が独立した構造)で万一背面バックルが外れても肩ベルト側で赤ちゃんの保持が維持される設計にはなっているので、腰ベルトを外してトイレに行くこと自体はできるかもしれない(推測、未検証) |
総合判定
合格。 ただし1つに絞るのではなく、夫婦それぞれの体格に合わせて使い分ける、という結論になった。
べべスワンBTベストは、正直に言うと不満点の方が多く出てきてしまったが、後ろから見て紐に見えないデザインは今でも気に入っている。ラクリスABは細かい部分の作り込みが一枚上手で、保冷剤ポケットや首・足のサポートなど、実際に使う場面で「かゆいところに手が届く」印象が強い。体格差のある夫婦で1つの抱っこひもを共用しようとしている人は、サイズ調整の手間も含めて検討材料にしてもらえたらと思う。
べべスワンBTベストはこちら Aprica ラクリスABはこちら